影絵の街から

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写真それも”汚い”写真が好き!何気ない日常の中にあるどーって事ない非日常の匂いが好きでありんす!インスタの真逆の位置に立てたらそれはそれでいいかな。基本モノクロ撮影です。

        春の修羅

眠い春の午後に 
一人の妊婦がうたた寝している
そのおなかには、勾玉のような赤ちゃんが
とくとくと小さく鼓動している
その鼓動の音を
聞くように
一匹の猫が添い寝をする
春の日差しはぬるく
紫外線がありとあらゆるものを照射する
かよわきたましいのように
春はゆっくりと生き物に宿る
             
         
          I  was  born.

なぜなのか理由はかわからないけど、とにかく私は生まれたのです。祝福もなく呪いもなく、ただ、ある瞬間から私は存在を始めたのでした。
存在、存在とは何でしょう。私が私として在る、とゆうことの不可思議。
強い意志のようでもあり、法則のようでもあり、でたらめのようでもありました。たゆたうような生命のうねりのなかで、私は限りなく細胞分裂を繰り返しながら何者かになろうとしていました。光の速さで、私は40憶年の記憶を遡
つていく。精妙に描かれた青写真に従って、私は私になろうとしていました。

続く
 




      落書帖